部屋の隅で映画と本

部屋の隅で映画と本

映画と本の感想ブログ

MENU

『大学4年間の社会学が10時間でざっと学べる』──レジュメのような読感だが一冊目には良いかも?

『大学4年間の社会学が10時間でざっと学べる』は、題名のとおり大学で学ぶ内容の社会学についてざっと解説する一冊だ。

以前『100分de名著』で社会学ブルデューの『ディスタンクシオン』という本が紹介された回がとても面白くて、社会学ってどんな学問なんだろうというのを知りたくて手に取った。

初めて◯時間で学べる系を読んでみたが、やはり○時間で学ぶのってムリがあるよな〜というのが正直な感想。

本書は社会学で使われる単語を、その単語ごとに1ページ使って説明する構成になっている。テスト前に見返すようなレジュメや教科書に近い感覚だった。

本を読む行為特有の楽しさはあまり感じられず、自分には向いていなかったな。

ただ題名に偽りはないし、○時間で学べる系に共通する難しさだと思うのでこの本がどうとかいう話ではない。むしろ本書についていえば、なるべく分かりやすく興味を持ってもらえるように説明しようという作者の努力を感じられた。

自分のように読むことを楽しみたい人よりも、本を読むのに時間は取れないけど、ちょっと興味がある・何かでその分野の基本的な知識が必要という人を対象としているのかもしれない。


自分には向いていなかったと思う反面、今後社会学に関連する本を読む機会があったら、本書で基礎の単語を学んだことにより理解がスムーズになるだろうし、一冊目に選ぶのは悪くないかもとも思う。

あと、社会学って実際何をやっているのかが分かりにくいと思っていたから、その輪郭が少しはっきりしたのが良かった。

社会学は「理解」と「説明」という対になる概念で成り立っているという。「理解」は人の主観的な内面世界を感情移入や追体験によって明らかにするもので、他者の主観的世界を理解する。もうひとつの「説明」は、対象を突き放して見ることで、社会現象をよりよく説明することを目指す。

まあそうはいってもやはり抽象的で分かりにくいから、具体的にどういうことをやっているのか知りたいと思ったら一つひとつの事柄をもっと深く説明してくれる本を読む必要があるけれど。


おわりに

やっぱり自分が興味のある本を読むのが良いと思うし、『ディスタンクシオン』に手をつけるか。でもどこかですごい難しいって評を見たし、戦々恐々だな〜。と、うだうだしているうちにそろそろ一年が経ちます‥‥。