2021年に読んだ本ベスト5冊
2021年に読んで良かった本を5冊紹介します。書こう書こうと思いつつ、いつの間にか年が明けていた・・・・
2021年は51冊読みました。冊数は去年とほとんど変わらず。だいたい寝る前に1時間ちょっと読むルーティーンなのでこんなものかな。
今年読んだという括りで選んだので、今年発売ではない本も多々含まれます。
ではでは早速挙げていきます!読んだ順です。
彼岸過迄
読者を引き込める圧倒的な文章力があれば、物語に劇的な何かが起こらなくても小説は面白いということを実感した一冊。読者を引き込む圧倒的な文章力という前提条件がものすごく難しそうだけど、さすが難なく達成している。
読んでいると音や匂いや感触を目の前に感じてちょっと怖いくらいだった。
持続可能な魂の利用
「少女たちからおじさんが見えなくなる」という一見過激かつキャッチーな設定を置きつつ、おじさんが見えなくなった世界ではなく現代日本をメインに描くことで、主な登場人物である現代女性の生きづらさをあぶり出す設定の妙が面白かった。
それはそれとしておじさんが見えなくなった世界がどんな感じなのか気になりすぎてそっちの話も読みたいとずっと思っている。
遺伝子──親密なる現代史
人の能力や性格は遺伝子で先天的に決まっているのか、環境で後天的に決まるのかというのはよく挙がる話題だし一度は考えたことがあるのではと思う。
本書は遺伝子について、作者自身のバックグラウンドストーリーを絡めながら分かりやすく解説してくれる。遺伝によって何がどれくらいの割合で決定されるのかという話も出てくる。
上下巻に分かれていてそこそこ分厚さはあるけども、文章が内容のわりに平易なのと構成が上手いのでするする読める。
人新世の「資本論」
資本主義的なものの見方が当たり前になりすぎてしまっている自分の頭から距離を取って考えるきっかけになった一冊。
強めに資本主義をサゲてから自分の主張をアゲるような論調は若干身構えてしまったけれど、内容はもっと考えたいと思う話が多くあった。
あとこの本がベストセラーになること自体が時代を象徴している感じがして面白い。
誓願
全体主義国家で三者三様の立場にある女性がそれぞれの抗いかたをするうちに、三人の連帯に繋がっていく展開がアツくてページをめくる手が止まらなかった。
本書は前作「侍女の物語」の続編なのだが、読み口はかなり異なる。
前作の独特の息苦しさが読んでいて辛かったので本書もそんな感じなのかな〜と恐るおそる読み始めたがこちらはむしろスピード感があって閉塞感はほとんどない。とにかく面白い。
書くことについて
スティーブンキングによる小説の書き方読本。大御所作家のスティーブンキングが書く文章本なんて、ファンに向けた自伝ばかりだったり抽象的なアドバイスばかりで参考にならんでしょ?と思いきや、具体的なアドバイスが豊富でしっかり参考になった。
特に後半部分は付箋をたくさん貼ったし、定期的に読み返すと思う。
おわりに
5冊といいつつ6冊あげてしまった。読んだ本の記録を見返していて漠然とこれは良かった、これはまあまあだったという感覚はあるのだけどキリのいい冊数に絞るのって難しい。
今年はあんまり映画館で新作映画を観ることができず、映画のベストを作れないのがちょっと悔しい。
観た映画の中から選ぼうかとも思ったけど、観たらベストに入るだろうに見逃しているのがあまりに多いからやめた。プロミシング・ヤング・ウーマンもフリー・ガイもまだ観てない。まあそういう年もある。