部屋の隅で映画と本

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映画と本の感想ブログ

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2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『彼岸過迄』──結論が与えられない物語の美しさ

『彼岸過迄』は、夏目漱石の後期三部作と言われるうちの一冊だ。 実は高校を卒業したころに買ったきり、しばらく本棚の肥やしにやっていた。高校の教科書に載っていた『こころ』が好きで、別作品も読んでみようと思って買ったのだと記憶している。 しかし、…

『遺伝子 ──親密なる人類史』──鮮やかなストーリーテリングに引き込まれる一冊

医師・がん研究者シッダールタ・ムカジーによる『遺伝子 ──親密なる人類史』は、遺伝学がどのように発展してきたかという道筋を、著者自身の家系に潜む遺伝的な精神疾患の話を織り交ぜながらたどる一冊である。 上巻ではメンデルのエンドウマメの実験までさ…