部屋の隅で映画と本

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映画と本の感想ブログ

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2020-01-01から1年間の記事一覧

2020年映画年間ベスト10

2020年に劇場公開された映画の年間ベストを載せます! 今年は44本の映画を劇場で鑑賞しました。コロナの影響で都会の映画館にあまり行かなくなり、思うように劇場で鑑賞できなかった年だった。 ビックタイトルは軒並み公開延期になりましたね。4月以降に劇場…

映画『Away』感想

10日ほど前にアニメーション映画『away』を鑑賞。ブログに書くタイミングを逃してしまって、スルーしようか迷ったけど良い作品だったからやっぱり残しておこう。 あらすじ ある日少年は、木の枝にパラシュートが引っかかっている状態で目覚めた。あたりを見…

映画『ジョゼと虎と魚たち』感想

『ジョゼと虎と魚たち』を鑑賞。前半と後半で評価がだいぶ変わる作品だった。前半観ているときはこれ全人類が観るべきやつでは・・・?と思うくらい良作の予感がしていたけれど、後半にかけて物語の運びかたに首をかしげる部分が出てきた。 ただ全体としては…

『菊と刀』──現代まで受け継がれている日本文化の型とは

『菊と刀』を読んだ。アメリカの文化人類学者ルース・ベネディクトが日本の文化の型を分析した本で、1946年に刊行された。 ここ半年くらいは色んな国の文学や教養系の本を読むことが多かった。日本以外の各地域について読むにつれて、じゃあこれって日本では…

映画『燃ゆる女の肖像』──視線と伏線で語られる関係性

『燃ゆる女の肖像』を鑑賞。これはすごいものを見た・・・。数多くのモチーフ、対比が物語に織り込まれている上で、全てがバラバラになることなく繋がって意味を成している。綿密に計算された配置に圧倒されっぱなしだった。まだ2020年に観た映画ベスト10は…

『動物農場』──権力の暴走を見逃した動物たちが向かう先

1945年に刊行されたジョージ・オーウェルの小説『動物農場』を読んだ。本文が150ページちょっとしかないのに、短編小説とは思えない内容の濃密さ。読み進めるごとに真綿で首を絞められていくような苦しさがある。ハヤカワepi文庫の訳はおとぎばなし風な文体…

映画『シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!』感想

映画『シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!』を観た。いつもガラガラな近所の映画館で見たので、観客自分だけかもな〜なんて気持ちで行ったら意外と人がいてちょっと驚いた。 あらすじ 1800年代後半パリ。ほぼ無名の劇作家であるエドモン・ロスタンは、…

映画『魔女見習いをさがして』──かつて魔法に胸ときめかせていた人へ

子どものころ、いつか魔法が使えるようになるんじゃないかと考えたことはないだろうか。そうじ用のほうきにまたがってみたり、呪文を唱えてみたりした人もいるだろう。きっと、何かしらの作品がきっかけで、自分にも魔法が使えたらいいのに、と思うようにな…

映画『ミッシング・リンク』感想

1週間以上前になるが、『ミッシング・リンク』と『魔女見習いをさがして』を二本立てで観てきた。図らずもアニメーションしばり。 製作された国や手法は違えど、どちらも人生につまづいて悩む大人が主な登場人物で、旅によって自分の進む道が見えて成長をす…

『銃・病原菌・鉄』──世界の格差はどこから発生したのか

世界の歴史をたどると、富とパワーが世界各国に平等に分配されていたことはなく、つねに少数の地域に集中していた。現代では、アメリカや欧州、中国がリードしている状態が当たり前になっていて、現状に疑問を持つことはあまりない。 しかし、考えてみると不…

映画『羅小黒戦記』──コアなファンだけじゃない!家族連れで楽しめる良作

ついに『羅小黒戦記』の吹替版が公開された。去年の3月ごろに字幕版を観て、衝撃を受けた映画だ。まさか100館超えの規模で上映すると思っていなかったから、嬉しいびっくり。地元の映画館で羅小黒戦記が観られるとは。それだけ大規模で公開するってことは、…

『一杯のおいしい紅茶』────ディストピア小説の金字塔、ジョージ・オーウェルの意外な一面

ディストピア小説『一九八四年』や『動物農場』で有名なイギリス人作家、ジョージ・オーウェルのエッセイ集。おもに晩年である1945年〜1948年に書かれたエッセイが集められている。 題名になっている『一杯のおいしい紅茶』は、本を開いて一番はじめに載って…

映画『スパイの妻』感想

『スパイの妻』を観てきた。実写の日本映画を観たのは久しぶり。結論からいえばなかなかに面白かった。どう展開してゆくか分からない不気味さに引き込まれるし、日本でタブー視されてきた歴史に切り込んだ点も意義深い。娯楽的な楽しさと社会的なテーマをみ…

映画『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』感想

『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』を観てきた。いやー、映像の美しさが抜群。安定のA24クオリティだ。A24ってだけで一定の品質が保証されている感がある。まずオープニングのショットが目をひいて、これからどんな物語が始まるのかと引きこま…

映画『82年生まれ、キム・ジヨン』感想

先週、映画のほうの『82年生まれ、キム・ジヨン』を観てきた。小説と映画では別物といえるくらいつくりが違っていたが、映画は映画でよい作品だった。 33歳のキム・ジヨンはまだ幼い娘のジウォンと夫チョン・デヒョンとの3人暮らしだ。ある日、彼女に異変が…

『82年生まれ、キム・ジヨン』──地獄のごった煮から救いは生まれるのか

書籍のほうの感想。韓国の作家であるチョ・ナムジュの作品で、韓国で100万部を突破したベストセラー。 33歳のキム・ジヨンは、まだ幼い娘のチョン・ジウォンと3歳年上の夫との3人暮らしだ。彼女は広告代理店で働いていたが、育児を自分ひとりで行わなければ…

『思考の整理学』──30年以上読まれ続ける不朽のエッセイ

「考えること」に関する外山滋比古のエッセイ。1980年代に発売されて以来、ロングセラーを記録している。東大・京大で1番読まれた本というコピーでも有名である。 実業家であったり、色んなジャンルの著名人の愛読書としてもよく紹介されているので、なぜ発…

『一人称単数』──自伝的ともいえるフィクション小説

村上春樹の短編集。題名のとおり、一人称「僕」「私」の語りで進行して、名前が明かされることはない。(「ヤクルト・スワローズ詩集」には、「僕」=村上春樹 だとわかる箇所があるが。)ただ、すべての短編の「僕」は村上春樹なのではないかと思えるくらい…

はじめまして

はじめまして。スミヅカと申します。 映画と本が好きです。 ひとりでこそこそ感想をノートに書いて楽しんでいたのですが、 ふとネットの海に放流したい!!と思い立って今さらながら始めてみました。 ブログ書くのがほぼ初めてなので人格が定まっていません…